トラディアンス®配合錠の作用機序

トラディアンス®配合錠は、ナトリウム-グルコース共役輸送体2(SGLT2)阻害薬エンパグリフロジンとジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)阻害薬リナグリプチンの作用機序を有しています。

エンパグリフロジンの作用機序 [1]

SGLT2は、ナトリウムイオンの濃度勾配によりナトリウムとグルコースの能動輸送を行う膜貫通型トランスポーターのひとつで、主に腎の近位尿細管に発現し、腎におけるグルコース再吸収の約90%を担っています。SGLT2を阻害することにより、近位尿細管からのグルコース再吸収が減少し、尿中へのグルコース排泄が促進され、血糖値を低下させます。SGLT2阻害による血糖値低下は、β細胞機能及びインスリン抵抗性に依存しません。

リナグリプチンの作用機序 [2]

リナグリプチンは、DPP-4の競合的かつ可逆的な選択的阻害薬です。DPP-4は膜結合型プロテアーゼのひとつで、腎臓、肝臓、腸、リンパ球及び血管内皮細胞など多くの組織において広く発現しています。DPP-4の生理的基質のうち重要なものはインクレチンと呼ばれるグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)とグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)で、DPP-4のペプチダーゼ活性を阻害することにより、これらの内因性インクレチンホルモンレベルの上昇によりインスリン分泌が上昇し、グルカゴン放出が抑制されます。GLP-1とGIPはいずれも、グルコース依存性インスリン分泌刺激作用を発揮し、この作用により食後の血糖コントロールを改善することが認められています。

Reference
  1. Gerich JE.:Diabetic Med.:2010;27:136-142
  2. Rauch T. et al.:Diabetes Ther. 2012;3(1):10